流派
●私たちの流派について
大門囃子連が受け継ぐのは、「目黒流船橋派」。
優雅な音色が特徴の流派です。
この流れは、かつての船橋村で内海軍次郎氏に学んだ「藤若囃子連(藤橋囃子連)」から、私たちの元へと受け継がれています。
地元・青梅の空気をまといながら、江戸の風を感じるような囃子。
それが、私たちの音のルーツです。
●目黒流・船橋派の魅力って?
この流派の最大の魅力は、「音の立体感」です。
・主旋律を刻む“シラベ”
・その裏で絡む“カラミ”
2つの締め太鼓がリズムを交差させ、にぎやかさの中にも品のある音をつくり出します。
一つの曲の中でも、カラミは絶えず続きます。
だからこそ、流れるようなゆらぎが生まれ、
どこかモダンな、現代音楽にも通じるような感覚があります。
例えるなら、「静かな熱を感じるジャズ」。
そんな表現が似合うかもしれません。
●青梅としての目黒流
青梅地域の囃子といえば「神田流」が主流。
威勢がよく、勢いにあふれた“喧嘩囃子”と呼ばれることもあります。
そんな中で、江戸囃子の中の目黒流を取り入れた藤橋囃子連ですが、青梅の他流派の威勢の良さや力強さが加わりました。
つまり——
・優雅さと
・熱量のある躍動感を
あわせ持った音。
目黒流の中でも、立川や府中、小金井とはまた違った、“青梅らしい目黒流”として育まれてきたと思っています。
●この音を、未来へつなぐために
流派を守るというのは、型をそのままなぞることではありません。
今の時代を生きる私たちが、自分たちの感覚で受け取り、奏でていく。
その積み重ねが、「今の囃子」を形づくっていきます。
・伝統と、今の感性。
・受け継ぐことと、変えていくこと。
その両方を大切にしながら、
これからもこの音を、未来へとつないでいきたいと考えています。